ホームページ制作に使える補助金と、「そもそも作るべきか」の正直な話
「ホームページ制作 補助金」は検索の多い定番テーマですが、最初に正直な交通整理をさせてください。①IT導入系の補助金では原則HPは作れません。②そしてHPの前にやるべき無料の施策があります。その上で、作ると決めた店のための補助金ルートを解説します。
先にやるべき無料の3点セット
- Googleビジネスプロフィール — 「地名+業態」検索とGoogleマップの表示元。写真・営業時間・メニュー・口コミ返信を整えるだけで、HPより先に来店が動きます。費用ゼロ
- SNSの固定情報 — Instagramのプロフィールに営業時間・場所・予約方法。若年層はここしか見ません
- 無料HPビルダー — ペライチ・Wix等で1ページ作れば「公式情報の置き場」としては成立します
この3つが埋まった上で、なおHPが必要な店——予約単価が高い(コース・宴会・記念日需要)、採用に困っている、ECや通販をやりたい——が、補助金でしっかり作る価値のある店です。
使える補助金の型
| 販路開拓型 | 本命。持続化補助金の「ウェブサイト関連費」。制作費・改修費・ウェブ広告費まで対象になるが、ウェブサイト関連費だけでは申請できず補助金総額の1/4までという上限ルールが近年の公募回で設定されている点に注意。チラシ・看板など他の販路開拓と組み合わせる設計が前提 |
|---|---|
| 機能つきサイト型 | 予約システム・EC・モバイルオーダーなど業務機能が主役のサイトなら、デジタル化・AI導入補助金の登録ツールとして対象になりうる。「見せるHP」ではなく「働くシステム」なら話が変わる |
| 自治体独自型 | 市区町村の「HP作成補助」「デジタル化支援」。上限5万〜20万円程度と小粒だが、要件が緩く採択率が高い。小さく作るならこれで十分なことも |
計算例:50万円のサイトを持続化補助金で作る場合
- 計画全体:HP制作50万円+看板30万円+チラシ20万円=販路開拓費100万円
- 仮に補助率2/3・上限内なら:補助約66万円、自己負担34万円
- ウェブサイト関連費の上限ルール(補助総額の1/4まで)があるため、HP単体50万円だけの申請は組めない——これが実務上いちばん多いつまずきです。看板・チラシ等と組み合わせた「集客改善パッケージ」として設計してください
- 回収の考え方:コース予約が月3件増(客単価5,000円×2名)なら月3万円の粗利増。自己負担分は1年前後で回収
制作会社選びで店主が損しないための4点
- ドメインは自分名義 — 業者名義だと解約時に店の住所(URL)を人質に取られます。契約前に必ず確認
- 「補助金対応可」の意味を確認 — 見積書の書式対応をしてくれるだけの業者と、申請書の事業計画まで助言してくれる業者がいます
- 月額保守の中身 — 更新代行が月何回まで含まれるのか。実費(サーバー・ドメイン年1〜3万円)との差額が業者の作業費です
- スマホ表示を最初に見る — 飲食店のHP閲覧の8割超はスマホ。デモはスマホで確認
よくある誤解
- 「HPを作れば集客できる」 — HPは「調べに来た人の受け皿」で、集客の入口はGoogleマップ・SNS・ポータルです。入口なしで受け皿だけ作っても人は来ません
- 「豪華なサイトほど良い」 — 飲食店のHPで見られるのは営業時間・場所・メニュー・予約方法の4つ。ここへの到達が2タップ以内なら、それは良いサイトです
- 「補助金があるから作る」 — 順番が逆です。上の無料3点セットで足りるなら、その予算はPOSや食洗機など日々効く投資に回す方が合理的です
申請前チェックリスト
- ☐ Googleビジネスプロフィールは整備済みか(未整備ならまずそちら)
- ☐ HPで何を達成したいか1行で言えるか(予約増?採用?EC?)
- ☐ 持続化補助金のウェブサイト関連費ルール(単体申請不可・総額の1/4まで)を織り込んだ計画か
- ☐ ドメイン名義・保守契約の条件を確認したか
- ☐ 自治体の小規模なHP補助がないか確認したか → 下の募集中リスト
いま募集中の関連制度
データベースの募集中制度から、ホームページ制作に関連しうる制度が12件見つかりました(2026年7月20日時点・毎朝自動更新。対象経費に含まれるかは必ず公募要領で確認してください):
【埼玉県】令和8年度企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金
埼玉県内の飲食店が太陽光・再生可能エネルギー設備を導入する際、補助対象経費の一部を補助。個人事業主も対象。
令和8年度取引力強化推進事業の2次公募について
鹿児島県の中小企業組合向け事業。組合ホームページ・チラシ作成を支援。個人事業主の対象可否は不明。
令和8年度 取引力強化推進事業補助金を公募します
組合員向けの取引力強化支援。個人店舗ではなく商工組合等への補助が対象の可能性が高い。
島根県商業・サービス業外貨獲得支援補助金
島根県内の飲食店が県外市場開拓やネット販売強化による外貨獲得を目指す場合、経費の一部を補助
【募集】鶴岡市インバウンド受入環境向上補助金について
鶴岡市内でインバウンド受入環境向上に取り組む事業者が対象。上限20万円、補助率1/2以内。飲食店対象か詳細確認要。
6次産業化に取り組みませんか~補助事業の要望調査を実施します
6次産業化事業の要望調査。飲食店の食品加工・直販が対象の可能性があるが、詳細不明のため確認が必須。
企業等採用活動支援事業補助金」★募集開始!★採用戦略立案や情報発信媒体制作等による採用力アップを支援します!
採用戦略立案・情報発信媒体制作費を補助。徳島県内の中小企業対象。個人事業主の対象明示なし。
【山形県】令和8年度やまがた未来くるエネルギー補助金(山形県再生可能エネルギー等設備導入促進事業)
飲食店が事業所として太陽光・蓄電池、木質バイオマス、地中熱設備を導入する際、経費の一部を補助。ただし設備種類と条件を確認要。
小規模事業者デジタル化支援補助金 -生産性向上に向けたデジタル技術導入・活用の取り組みを支援します-
福岡県久留米市のデジタル化支援。業種不問だが、詳細条件・上限額・従業員数制限が記載されておらず、小規模飲食店の適否が不明
【久留米市】久留米市小規模事業者デジタル化支援補助金(令和8年度)
久留米市内の小規模飲食店がDX診断後、POSレジやクラウド導入等デジタル化に最大20万円(1/2補助)。従業員5名以下が対象。
和歌山市ビジネスチャンス創出支援補助金
見本市出展、ECサイト構築、PR物作成、製品改良に活用可能。小規模飲食店の適用可否は要確認。
【大阪府和泉市】再エネ・省エネ機器設置促進事業補助金(事業者用)
和泉市内の飲食店が太陽光発電設備・蓄電池を新設する場合、最大3000万円の補助対象。個人事業主も対象。
あわせて確認したい定番制度
よくある質問
Q. IT導入補助金でホームページは作れますか?
A. 原則作れません。IT導入補助金(現デジタル化・AI導入補助金)は業務効率化ソフトウェアの導入が対象で、広報目的の単なるホームページ制作は対象外と明記されてきました。予約システムやECなど機能を持つサイトの一部として扱われる場合を除き、HP制作の本命は持続化補助金です。
Q. ホームページ制作の相場はいくらですか?
A. ピンキリですが、制作会社で30万〜100万円、フリーランスで10万〜30万円、自作(ペライチ・Wix・STUDIO等)なら年数千円〜3万円程度です。飲食店の場合、5〜10ページの小規模サイトで十分なことがほとんどです。
Q. 月々の管理費を請求されていますが妥当ですか?
A. 内容次第です。サーバー・ドメイン代の実費は年1〜3万円程度。「保守管理費 月1〜3万円」は更新作業を実際に依頼しているなら妥当ですが、何もしていないのに払い続けているなら見直し対象です。契約書の解約条項と、ドメインの所有者が自分になっているかを確認してください。