飲食店版

加点項目カタログ: 申請前に取れる点は全部取る

2026年10月7日更新 / 飲食店主向けガイド

ナビコッコ
審査は実力勝負だと思われがちです。しかし採択ライン付近では、「申請前に取れる点」が差になることがあります。加点は言わば試験前に配られる持ち込み許可証で、取りに行った人だけが持ち込めます。しかも多くは無料です。取らない理由は、ほとんど見当たりません。

補助金の審査を試験に例えるなら、加点は「試験の前日までに配られる、正解済みの解答用紙」です。事業計画の出来は当日の実力勝負です。でも認定・宣言系の加点は、締切前に手続きさえすれば確実に積める点数です。当落線上の1〜2点を、書類仕事で手に入れられるかどうか。採択率の差は、案外こういう地味なところでついています。

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定番加点のカタログ: コストと日数で選ぶ

パートナーシップ構築宣言無料・数日。ポータルサイトで宣言を登録。取引適正化の表明。新事業進出・ものづくり補助金 第1回の加点で、2026年1月1日に更新されたひな形での公表が条件です。持続化補助金 第20回の加点には入っていません
事業継続力強化計画無料・標準処理約45日。数ページの簡易BCPを国が認定。防災の実利つき(解説記事)
経営力向上計画無料・標準処理約30日。税制・金融支援の実利も大きい認定。持続化補助金 第20回の加点で、新事業進出・ものづくり補助金 第1回の加点には入っていません(解説記事)
賃上げの表明実コストあり。未達時の規定とセット。賃上げ要件の記事で重さの確認を
くるみん・えるぼし等の認定子育て支援・女性活躍の認定。取得は数ヶ月がかりで、中長期の仕込み枠
地域・制度固有の加点持続化補助金 第20回なら地方創生型(地域資源型・地域コミュニティ型)・過疎地域・能登半島地震等に伴う加点など。公募要領の加点表で毎回確認

加点表の読み方: 3つの列を見る

公募要領の加点表で見るのは3列です。①点数または重みと、選べる数(配点は公表されないことが多く、新事業進出・ものづくり補助金 第1回は「一定程度の加点」とだけ書いています。持続化補助金 第20回は区分ごとに1つ、合計2つまで)②証憑(認定書の写しか、宣言のURLか、様式への記載か)③基準日(申請締切の時点で認定済みが必要か、見込みで良いか)。特に③を見落とすと、「取ったのに使えない」ことになります。公募要領の読み方のCtrl+F検索に「加点」を加えて、この3列をメモしてから仕込みを始めましょう。

逆算スケジュール: 締切2ヶ月前の動き方

  1. 締切2ヶ月前。公募要領(前回版でも可)の加点表を読み、取れるものをリスト化。事業継続力強化計画・経営力向上計画はこの週に申請着手
  2. 締切6週間前。パートナーシップ構築宣言を登録(数日で完了)。認定系の申請状況をフォロー
  3. 締切1ヶ月前。経営力向上計画の認定書の到着確認(標準処理期間は約30日)。最新の公募要領で加点の変更点をチェック(回によって入れ替わります)
  4. 締切2週間前。事業継続力強化計画の認定書の到着確認(標準処理期間は約45日)。届いていなければ、申請先の地方経済産業局に審査の状況を問い合わせましょう
  5. 申請時。認定書・宣言の証憑を添付漏れなく。取ったのに書き忘れるのが一番悲しい失点です
  6. 認定は一度取れば有効期間内は他の補助金でも使い回せます。1回の仕込みが今後数年の全申請で役に立ちます。時給換算すると、最も割のいい部類の事務仕事です

計算例: 加点の期待値

  • 加点の配点は公募要領で公表されないことが多いので、ここでは効果を仮定して計算します。採択率50%の制度で、加点により当落線上の合格率が10ポイント上がると仮定します。補助上限100万円なら、期待値の増分は10万円
  • 無料加点2つ(宣言+事業継続力強化計画。新事業進出・ものづくり補助金 第1回ではどちらも加点項目)の取得コストは、事業継続力強化計画の書類仕事が5〜10時間で、宣言の登録を含めて合計10時間前後と見込みます。10万円を10時間で割ると、時給換算1万円前後の事務です
  • さらに認定そのものの実利も加わります。事業継続力強化計画には防災の備え・低利融資、経営力向上計画には税制優遇があります。加点は「ついで」で、本体の価値だけでも黒字という設計すら可能です
  • 逆に賃上げ加点は、年間人件費増という実コストとの比較になります。賃上げ要件の記事の損得勘定で判断を

制度別の傾向: どこで加点が効くか

  • 持続化補助金。第20回は、重点政策加点(赤字賃上げ・事業環境変化・くるみん/えるぼし・健康経営優良法人など)と政策加点(賃金引上げ・経営力向上計画・事業承継・事業継続力強化計画など)から、それぞれ1つ、合計2つまで選ぶ方式です。経営力向上計画と事業継続力強化計画はどちらも政策加点なので、両方持っていても加点は1つ分です。パートナーシップ構築宣言は加点に入っていません。小規模者の当落線付近は混み合いやすく、加点の影響が大きい制度です
  • 新事業進出・ものづくり補助金。第1回の加点は、パートナーシップ構築宣言・くるみん・えるぼし・健康経営優良法人・経営革新計画・事業継続力強化計画・DX認定・事業場内最低賃金の引上げなど17項目(うち2つはグローバル枠のみ)で、申請締切日の時点で満たしている必要があります。経営力向上計画は加点に入っていません。大型ほど競争率が高く、加点は取っていて当然のものに近くなります
  • 省力化・カタログ型。審査が軽い分、加点より要件を満たせるかどうかが勝負どころです。制度のタイプで力の入れ所を変えましょう(公募要領の読み方の制度タイプ別の重点)
  • 自治体の先着型には加点の概念自体がないことも多く、そこでは速度がすべてです。加点は「競争型の制度で役立つもの」と覚えてください

認定系加点の「本体価値」も数える

  • 事業継続力強化計画。加点+防災税制+低利融資+実際の防災の備え。取得5〜10時間。解説記事でひな形の埋め方まで書きました
  • 経営力向上計画。持続化補助金の加点+設備の税制優遇+金融支援+承継特例。設備投資の予定がある店は、加点抜きでも取る価値があります(解説記事)
  • パートナーシップ構築宣言。数日で登録でき、下請・仕入先との取引適正化の表明として、それ自体が信用につながります。宣言した企業はポータルサイトの登録企業リストで公表され、取引先も確認できます
  • つまり定番の無料加点は、「加点のために取る」より「本体の価値で取ったら加点も付いてきた」が正しい順番です。この順番なら、公募が延期になっても損はゼロです

やってはいけない加点の集め方

  • 実態のない宣言・表明。賃上げ表明だけして実行しない、宣言内容と実際の取引が真逆、といったことが発覚すれば、加点どころか信用問題です。書けるのは、やることだけ
  • 締切直前の駆け込み認定。認定系は標準処理期間だけで約30〜45日かかり、申請書に不備があればさらに延びます。「間に合わなかったので加点なしで提出」になれば、仕込みの手間が無駄になります。2ヶ月前ルールを守りましょう
  • 加点集めで本体が疎かに。審査の中心は事業計画です。加点の書類仕事に時間を取られて計画が薄くなるなら本末転倒です。時間の大半は計画に回しましょう

よくある誤解

  • 「加点がないと通らない」。審査の中心が本体の事業計画である事実は変わりません。加点は良い計画を勝たせる後押しで、弱い計画を救う魔法ではありません。順番は計画が先、加点はその次です
  • 「認定は難しそう」。事業継続力強化計画は数ページ・ひな形あり、宣言は登録のみです。「認定」の字面ほど事務は重くありません。難しそうというイメージだけで無料の点を捨てるのはもったいない
  • 「一度取れば永久に使える」。認定・宣言には有効期間や更新があります。申請のたびに有効期限を確認し、切れていたら更新から。カレンダーに認定の期限を入れておきましょう

年1回の「加点棚卸し」のすすめ

加点の顔ぶれは年度で入れ替わります。おすすめは年1回・4月の「加点棚卸し」です。やることは①保有する認定・宣言の有効期限確認②今年度の主要公募の加点表チェック③新設された加点(政策の流行が出ます)の把握です。30分の棚卸しで、その年の全申請で使える加点が決まります。当サイトの月次まとめと新着ページは、公募の動きを追うのに使ってください。

加点仕込みチェックリスト

  • ☐ 狙う制度の加点表(最新回)を確認したか
  • ☐ 無料系(宣言・事業継続力強化計画・経営力向上計画)に着手したか
  • ☐ 賃上げ系は返還規定込みで損得を判断したか
  • ☐ 認定書の有効期限をカレンダーに入れたか
  • ☐ 申請書類への添付(証憑)をチェックリスト化したか
  • ☐ 締切から逆算して2ヶ月前に動き始めたか
  • ☐ 年1回の加点棚卸し日(4月推奨)を決めたか
  • ☐ 業種固有の加点(地域・認証系)を見落としていないか
  • ☐ 加点表の3列(点数・証憑・基準日)をメモしたか
  • ☐ 認定書の写しを申請書類フォルダに常備したか

最後に順番の整理を。①まず無料・数日のパートナーシップ構築宣言②次に標準処理約45日の事業継続力強化計画③設備・承継の予定があれば経営力向上計画④賃上げ系は損得勘定の上で。この順で積めば、取得コストの低い順に点が貯まります。ただし制度ごとに数えられる加点は違うので、狙う公募の加点表と照らしましょう。4つ全部で書類仕事は合計10〜20時間。年間の全申請で役立つ準備としては、破格に安い投資です。

結論を言うと、加点は「審査のおまけ」ではなく、締切前の手続きで確保できる数少ない得点源です。無料のものから順に、2ヶ月前に仕込みましょう。それだけで、あなたの申請は、当落線より上の位置からスタートして審査されます。実力勝負の前に、取れる点を全部取る。受験もビジネスも、勝ち方は同じです。

参考・出典

設備投資に使える制度は、どの地域に多いか

2026年10月19日時点で該当する329件を地域別に数えました。うち全国対象が52件で、これはどの地域の飲食店でも申請できます。残りは地域限定なので、自分の都道府県にあるかを先に見ましょう。

上限額が公表されている235件で見ると、中央値は100万円、最大は10億円です。下から4分の1は30万円以下なので、「小さく試す」規模の制度も含まれています。

直近の締切は中小企業等グループ補助金(東日本大震災)についての2026年10月23日(あと4日)です。締切の並びは締切間近の制度でまとめて確認しましょう。

よくある質問

Q. 加点項目とはなんですか?

A. 審査点に上乗せされる政策的なボーナスです。国が推したい取り組み(防災・賃上げ・取引適正化・子育て支援など)を実施・表明した申請者に点を加える仕組みで、公募要領に加点一覧が明記されます。実力が拮抗する当落線上では、加点1〜2個が実質的な合否を分けます。

Q. どんな加点が定番ですか?

A. 制度・公募回で変わりますが、よく登場するのは事業継続力強化計画の認定、経営力向上計画の認定、パートナーシップ構築宣言、賃上げの表明、くるみん・えるぼし等の認定、地域資源活用や経営革新計画などです。無料で取れるものと、実質的な義務を伴うもの(賃上げ等)が混ざっている点に注意が必要です。

Q. 取得にどれくらいかかりますか?

A. パートナーシップ構築宣言はポータルでの宣言登録で数日、事業継続力強化計画は標準処理期間が約45日、経営力向上計画は約30日(事業分野が複数の省庁にまたがる場合は約45日)と中小企業庁が示しています。申請書に不備があれば、さらに延びます。多くの加点は「申請締切の時点で認定済み・宣言済み」が条件のため、補助金の締切から逆算して2ヶ月前には動き始めましょう。

Q. 加点はいくつまで積めますか?

A. 制度により加点の上限や組み合わせのルールが違います。全部載せが可能な回もあれば、選択式の回もあります。持続化補助金 第20回は、重点政策加点と政策加点から1つずつ、合計2つまでです。配点は公表されないことが多いので、公募要領の加点表で「いくつまで選べるか」を確認し、取得コストの低い順に積むのが定石です。

Q. 加点のために賃上げを表明しても大丈夫ですか?

A. 賃上げ系の加点は未達時の減額・返還規定とセットの場合があり、「取れる加点」ではなく「守る約束」です。無料系の加点(宣言・認定)と性質が違うため、賃上げ要件の記事で重さを確認してから使いましょう。

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公開 2026年8月16日 / 最終更新 2026年10月7日 / この記事は、公的機関が公開する一次資料をもとにホジョナビ編集部が作成したもので、執筆補助にAIを使用。金額・要件・締切は各制度の公募要領が常に優先。制作方針と情報源

更新履歴(2件)
  • 認定までの期間を「1〜2ヶ月」から標準処理期間(事業継続力強化計画は約45日、経営力向上計画は約30日)に修正、参考・出典を追加
  • 加点項目を持続化補助金第20回(合計2つまで)と新事業進出・ものづくり補助金第1回の内容に修正、配点は公表されないことが多い点を追記、参考・出典を追加
  • 公開