建設業・工務店版

建設業許可と経審のお金: 手数料・行政書士費用の目安と5年単位のコスト

2026年10月12日更新 / 建設業の経営者向けガイド

ナビコッコ
許可と経審の費用を聞かれると、多くの人は申請の手数料だけを思い浮かべます。でも実際に重いのは、行政書士費用と5年ごとの更新、そして経審を毎年受け続けるコストの積み重ねです。単発の出費ではなく、5年単位の固定費として見ると、準備の仕方が変わります。

建設業許可や経営事項審査(経審)のお金を聞かれると、多くの人は「申請のときに払う手数料」だけを思い浮かべます。しかし実際に経営を圧迫するのは、行政書士費用、5年ごとの更新費用、そして経審を毎年受け続けるコストの積み重ねです。この記事では、許可の種類ごとの手数料、行政書士費用の相場、経審の受審にかかる費用を、5年単位のコストとして整理します。手数料は都道府県や年度により変わるため、最終的な金額は申請先の最新の手引きで確認しましょう。経審の点数の仕組みそのものは経営事項審査(経審)とはのガイドで解説しています。

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そもそも許可が必要かどうか

工事の種類許可が不要な基準
建築一式工事以外1件の請負金額が500万円未満(税込)
建築一式工事1件の請負金額が1,500万円未満(税込)、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事

「小さい工事ばかりだから許可はまだ先でいい」と思っていませんか。実際には、1件あたりの金額で判断されるため、単価の高い工事を1件受けただけで基準を超えることがあります。見積りの時点で500万円に近づいてきたら、その工事を受ける前に許可の準備を始める必要があります。

許可の種類と手数料の目安

区分基準手数料の目安(新規)手数料の目安(更新・業種追加)
知事許可営業所が1つの都道府県内のみ9万円5万円
大臣許可営業所が2以上の都道府県15万円(登録免許税)5万円
一般建設業下請への発注額が3,000万円未満(建築一式は7,000万円未満)上表の額上表の額
特定建設業下請への発注額が3,000万円以上(建築一式は7,000万円以上)上表の額(一般と特定を同時取得する場合は加算)上表の額

この手数料は都道府県の条例で定められているため、申請先によって多少の違いがあります。一般建設業と特定建設業を同時に取得する場合は、それぞれに手数料がかかる点も見落としやすいポイントです。正確な額は、申請先の都道府県の建設業担当窓口で確認しましょう。

手数料以外に見落としやすいのが、営業所技術者(旧専任技術者)の確保にかかるコストです。国家資格者を社内に置けない場合、実務経験10年以上であることを証明する必要があり、その証明には過去の契約書や請求書を集める手間がかかります。許可の種類によっては、資格者を中途採用する費用(採用単価)のほうが、手数料より大きな負担になることもあります。社員に資格を取らせる投資と、資格者を中途採用する投資を比べ、自社に合うほうを選びましょう。

行政書士に依頼する場合の費用相場

手続き行政書士費用の目安法定の手数料と合わせた総額の目安
新規許可の申請代行10万〜20万円20万〜30万円
更新・業種追加5万〜10万円10万〜15万円
決算変更届(毎年の届出)2万〜5万円(手数料は原則不要)

「許可は取ったら終わり」と思っていませんか。実際には、決算が終わるごとに決算変更届を提出する義務があり、これを怠ると更新時に受け付けてもらえないことがあります。年1回の届出を忘れないよう、決算後のスケジュールに組み込んでおきましょう。自社で申請すれば行政書士費用は抑えられますが、要件確認や書類作成に時間がかかる分、どちらが得かは社内の事務負担と相談して判断しましょう。

経営事項審査(経審)にかかる費用

手続き申請先費用の構成
経営状況分析(Y)登録経営状況分析機関(複数ある)機関ごとの分析料(数千円〜1万円台が目安)
経営規模等評価(X・Z・W)・総合評定値(P)許可行政庁(地方整備局または都道府県)許可業種の数に応じた手数料

経審の費用は、分析機関と許可業種の数によって変わるため、ここで断定的な金額は示せません。正確な額は、利用する分析機関の料金表と、申請先の地方整備局・都道府県が公表する最新の手引きの「手数料」の項目で確認しましょう。公共工事を元請として受け続けるなら、この費用は毎年かかる固定費として経営計画に組み込む必要があります。

5年単位で見るトータルコスト

知事許可(一般建設業1業種)を新規取得し、5年間維持する場合の費目を並べると、次のような構成になります。

年次かかる費用
1年目新規許可の手数料9万円+行政書士費用(依頼する場合10万〜20万円)+経審の初回受審費用
2〜4年目決算変更届の対応(毎年)+経審の受審費用(公共工事を受ける場合は毎年)
5年目更新の手数料5万円+行政書士費用(依頼する場合5万〜10万円)

単発で見ると「9万円の手数料」で済む話に見えますが、行政書士費用と経審の受審費用を合わせると、5年間で数十万円規模の固定費になります。公共工事を受注する予定があるかどうかで、経審の費用をかけ続けるかどうかの判断が変わるため、事業計画の初期段階でこの費用を織り込んでおきましょう。

業種を増やすときの費用判断

建設業許可は29の業種区分ごとに取得します。「せっかく許可を取るなら、使う可能性がある業種もまとめて取っておこう」と思っていませんか。業種を1つ追加するごとに手数料5万円がかかり、経審を受ける場合はX1(完成工事高)やZ(技術力)の算定対象業種も増え、審査の手間と費用が業種数に応じて膨らみます。

判断向いているケース
必要な業種だけを取る受注実績が明確で、他業種に広げる計画が当面ない会社
将来を見込んで複数業種を取る元請けから別業種の発注を打診されている、事業拡大の計画が具体的にある会社

使わない業種を取得しても、その業種の技術者を置かなければ経審の評価は上がりません。実際に受注の見込みがある業種から段階的に増やすのが、手数料と事務負担の両面で無駄のないやり方です。

無許可営業のリスク

許可が必要な規模の工事を無許可で受けると、建設業法違反として営業停止や罰則の対象になり得ます。近年は元請けが下請の許可の有無を確認する流れも広がっており、無許可であること自体が受注のハードルになるケースが増えています。受注規模が基準に近づいている会社ほど、許可取得を先回りして進める価値があります。

実務チェックリスト

  • ☐ 直近の受注・見積りの金額が、許可が必要な基準に近づいていないか確認した
  • ☐ 営業所の数から、知事許可と大臣許可のどちらが対象かを確認した
  • ☐ 下請への発注予定額から、一般建設業と特定建設業のどちらが必要か確認した
  • ☐ 法定の手数料を、申請先の都道府県の最新の手引きで確認した
  • ☐ 行政書士に依頼する場合と自社で申請する場合のコストを比較した
  • ☐ 決算変更届を毎年提出する体制を整えた
  • ☐ 公共工事を元請で受ける予定があるか、経審の必要性を判断した
  • ☐ 経営状況分析(Y)を依頼する機関の料金を確認した
  • ☐ 許可・経審の費用を5年単位の固定費として事業計画に組み込んだ
  • ☐ 更新の満了日をカレンダーに登録し、期限切れを防ぐ体制にした

結論: 単発の手数料ではなく、5年の固定費で考える

建設業許可と経審のお金は、新規取得時の手数料だけでなく、行政書士費用・5年ごとの更新・毎年の経審受審費用まで含めた固定費として見る必要があります。500万円の基準に近づく見込みがあるなら、受注してから慌てるのではなく、早めに許可取得の準備を進めましょう。経審の点数の仕組みと上げ方は別記事で詳しく解説しています。手数料・要件は都道府県や年度で変わるため、申請前に必ず最新の公式情報で確認しましょう。

参考・出典

開業に使える制度は、どの地域に多いか

2026年10月19日時点で該当する236件を地域別に数えました。うち全国対象が38件で、これはどの地域の建設業・工務店でも申請できます。残りは地域限定なので、自分の都道府県にあるかを先に見ましょう。

上限額が公表されている159件で見ると、中央値は100万円、最大は10億円です。下から4分の1は25万円以下なので、「小さく試す」規模の制度も含まれています。

直近の締切は《第2期募集》令和8年度 福岡県ユニバーサルツーリズム推進事…の2026年10月23日(あと4日)です。締切の並びは締切間近の制度でまとめて確認しましょう。

よくある質問

Q. 建設業許可はどんな工事でも必要ですか?

A. 1件の工事が500万円未満(税込)であれば、建設業許可は不要です(建築一式工事は1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)。この基準を超える工事を請け負うには、許可の取得が必要です。許可がない状態で基準を超える工事を請け負うと、無許可営業として建設業法違反になります。

Q. 知事許可と大臣許可の違いは何ですか?

A. 営業所を1つの都道府県内にのみ置く場合は知事許可、2つ以上の都道府県に営業所を置く場合は大臣許可です。手数料は知事許可(新規)が目安9万円、大臣許可(新規)は登録免許税として目安15万円とされています(都道府県により手数料条例の規定があるため、必ず申請先で確認しましょう)。

Q. 一般建設業と特定建設業はどう違いますか?

A. 元請として下請に出す金額が、1件の工事で3,000万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)になる場合に必要なのが特定建設業許可です。それ未満であれば一般建設業許可で足ります。特定建設業は財産的基礎や技術者の要件が一般より厳しくなります。

Q. 行政書士に依頼する場合の費用はどのくらいですか?

A. 新規許可の申請代行は目安10万〜20万円、更新や業種追加は目安5万〜10万円程度とされることが多く、法定の手数料と合わせると新規取得で総額20万〜30万円程度になる見積りが一般的です。自社で申請書類を作成すれば代行費用は抑えられますが、要件の確認や書類の不備対応に時間がかかる点は踏まえておきましょう。

Q. 経営事項審査(経審)の受審にはお金がかかりますか?

A. かかります。経営状況分析(Y)を行う登録経営状況分析機関への分析料と、経営規模等評価(X・Z・W)・総合評定値(P)を申請する行政庁への手数料の両方が必要です。分析機関や許可業種の数によって金額が変わるため、正確な額は分析機関の料金表と、申請先(地方整備局または都道府県)の最新の手引きで確認しましょう。

Q. 許可を取らずに500万円以上の工事をするとどうなりますか?

A. 建設業法違反として、営業停止や罰則の対象になり得ます。元請けが下請の許可の有無を確認する流れも広がっているため、無許可での受注は取引そのものが成立しなくなるリスクがあります。受注規模が基準に近づいてきたら、早めに許可取得の準備を始めましょう。

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公開 2026年10月12日 / この記事は、公的機関が公開する一次資料をもとにホジョナビ編集部が作成したもので、執筆補助にAIを使用。金額・要件・締切は各制度の公募要領が常に優先。制作方針と情報源