値上げのお知らせ例文集:店頭・SNS・常連さんへの伝え方
値上げそのものより、客が離れるきっかけになりやすいのは「黙って上げた」「言い訳がましかった」という伝え方の失敗です。このページは、そのままコピペで使える告知例文集です。原則を3つだけ押さえて、あとは例文をあなたの店の言葉に直しましょう。
伝え方の3原則
- 理由は一行、事実だけ。書くのは「原材料費および光熱費の上昇により」まで。それ以上の説明は言い訳に聞こえます
- 約束を入れる。たとえば「味とボリュームはこれまで通り」。客が本当に知りたいのは価格でなく「何が変わらないか」です
- 感謝で締める。謝罪では締めないようにしましょう。値上げは悪事ではなく、店を続けるための経営判断です
店頭掲示の例文(フォーマル)
平素より当店をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
原材料費および光熱費の上昇が続いており、誠に心苦しいのですが、〇月〇日(〇)より一部メニューの価格を改定させていただきます。
今後も味・ボリュームはご満足いただけるものをお出しする所存です。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
店主
店頭掲示の例文(カジュアル・個人店向け)
いつもありがとうございます。
仕入れ値と電気代がどうにも上がり続けておりまして、〇月〇日から一部メニューを50円〜100円値上げさせていただくことにしました。
そのかわり、味と量はこれまで通り。むしろもっと美味しくなるよう腕を磨きます。
これからも変わらずご来店いただけたら嬉しいです。
SNS・LINE公式の例文
▼新価格の一覧はこちら(画像)
SNSでは新旧価格の対照表を画像で添付するのが誠実で、かえって好感を持たれます。「どれがいくら上がるのか」を客に探させないことが大切です。
常連さんへの口頭トーク
常連には掲示より先に口頭で伝えましょう。「自分は先に聞いていた」という感覚があると、常連が店の側に立つ理由になります。値上げ告知は、実は常連との関係を深めるチャンスでもあります。
やってはいけないNG集
- 黙って値上げ。メニューの数字だけを差し替えるやり方です。会計時に気づいた客の不信感は、告知して上げる場合の何倍も大きくなります
- 謝りすぎる。「大変申し訳ございません」を連発すると、値上げ=悪いことという前提を自分で作ってしまいます。心苦しさを伝えるのは一度だけにしましょう
- 他店・社会のせいにしすぎる。「政府の政策により」「〇〇の影響で」を並べると、告知が言い訳で埋まってしまいます。事実は一行にしましょう
- ステルス値上げ(量を減らす)。気づかれたときのダメージは価格改定の比ではありません。やるなら堂々と価格で上げましょう
- 全品一斉の大幅値上げ。看板商品は小幅に、原価が重い品はしっかりと上げ、メリハリをつける方が客の体感は穏やかです
メニューブックに添える但し書きの例文
改定のたびにメニューを刷り直すコストを抑えつつ、「気づいたら値段が違う」という不信感を防ぐ保険の一文です。日付入りの新価格シールを使う場合も、この一文があるだけで印象が変わります。新しい価格は、メニューも店頭掲示もSNSの価格表も税込の総額で表示しましょう。消費税法の総額表示の義務は表示媒体を問わず、対象外は口頭で伝える価格だけです。
値上げ幅の決め方(簡易計算)
- 目標: 原価率を元の水準(店や業態ごとに決めている目標の原価率)に戻す。新価格 = 新原価 ÷ 目標原価率
- 例: 原価300円→350円に上がったラーメン(元の売価900円・原価率33%)なら、350円÷0.33=約1,060円 → 1,050円に改定
- 心理の壁(980円・1,000円)をまたぐときは、トッピング強化や限定メニューで「上がったが良くなった」を同時に見せると受け入れられやすくなります
- 値上げの経営判断全体は物価高騰対策ガイドで詳しく解説しています
値上げと同時にやると効く「メニュー設計」
- 松竹梅を作る。主力を中央に置き、上位版(+200〜300円の特製/大盛り)を新設すると、値上げ後の主力が「真ん中の無難な選択」に見えます。実際に上位版が2割出れば、客単価はさらに上がります
- 1品だけ据え置きの旗を立てる。「餃子は据え置きます」の一行があると、告知全体の印象が「誠実な調整」に変わります。据え置く品は原価の軽いものを選びましょう
- セット化で単品比較を外す。単品900→950円は比較されますが、新セット1,200円は比較対象がありません。値上げはメニュー改編と同時が鉄則です
- 端数の心理。950円と980円の体感差は小さく、980円と1,000円の差は大きいものです。同じ上げるなら980円まで上げる方が合理的、という価格心理も一考の価値があります
値上げの頻度戦略: 小刻みか、一発か
- 年1回・定例化がおすすめ。「うちは毎年4月に価格を見直します」と決めてしまうと、告知も心理的負担も軽くなります。客側も「またこの季節か」と受け止めやすくなります
- 小刻み(毎回30〜50円)の弱点。告知コストが毎回かかり、「また上がった」の印象が積み重なります。原価上昇に後追いで削られ続ける消耗戦になりがちです
- 一発大幅の弱点。150円超の一括値上げは、離客のリスクが一気に高まります。やむを得ない場合は、上位メニューの新設やリニューアルと同時に行いましょう
- 結論: 年1回、50〜100円、メニュー改編とセット。これが消耗しない型です
値上げ後のフォロー: 聞かれたときの返し方
- レジで「上がったんだね」と言われたら: 「はい、心苦しいんですが…そのぶん味は絶対落とさないので!」。謝罪でなく宣言で返しましょう。ここで長々と釈明しないことです
- SNSで否定的なコメントが付いたら: 「率直なご意見ありがとうございます。悩んだ末の決断でした。品質でお返しします」の一往復だけにとどめ、議論はしないようにしましょう(口コミ返信の例文参照)
- 値上げ後2週間の客数・客単価をメモしておきましょう。体感でなく数字で影響を見ると、たいてい「思ったより減っていない」ことが分かり、次回の値上げが怖くなくなります
業態別の相場観: 「心理の壁」はどこにあるか
| ラーメン | 950円→1,000円の「千円の壁」が最大の関門。壁を越えるなら50円刻みでなく、トッピング込み1,100円級の「新しい看板」を作って一気に越える方が客の納得を得やすい |
|---|---|
| 定食・食堂 | ワンコイン(500円)と800円に壁。ランチは50円刻み・小計での据え置き(ライス大盛無料の廃止等)の合わせ技が定番 |
| 居酒屋 | フードよりドリンクが敏感。生ビール550円→600円は反応が出やすく、「最初の1杯」だけ据え置いて2杯目以降と焼酎・サワーで調整する設計が実務的 |
| カフェ | コーヒー単品より「セット価格」で調整。単品据え置き+セット100円改定は体感値上げが小さい |
値上げせずに原価率を戻す「非価格」の選択肢
- 構成の見直し。付け合わせ・小鉢の内容を変えます(価格は同じ、原価▲20〜30円)。ただし「量が減った」と気づかれる変更は、値上げより印象が悪くなります。減らすなら公言し、増やす何かとセットにしましょう
- セット・コースへの誘導。単品より原価率を設計しやすくなります。宴会コースは、飲み放題の内容で粗利をコントロールします
- ロス削減で仕入れ側を締める。棚卸しで原価率のブレの原因を特定しましょう。値上げ50円ぶんの利益改善が仕入れ側から出ることは珍しくありません
それでも原価率が自店の目標の水準(上のラーメンの例なら33%)に戻らないなら、値上げが正解です。目標の原価率は業態や店によって違うので、値上げ前の自店の数字を基準にしましょう。非価格の工夫は時間稼ぎにはなりますが、原材料が大きく上がった局面では、その上昇分を吸収しきれません。日本政策金融公庫の2026年4〜6月期の調査でも、生活衛生関係営業の経営上の問題点で最も多いのは「仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難」(61.1%)でした。
告知から実施までの段取り
| 4週間前 | 新価格決定・メニュー表の改訂発注・POSの価格設定日を予約 |
|---|---|
| 2〜3週間前 | 店頭掲示・SNS告知開始。常連には口頭で先に |
| 前日 | メニュー差し替え・POS/券売機の価格更新(券売機の価格変更は営業後に) |
| 当日〜1週間 | レジで「今日から新価格です、ありがとうございます」の一言。指摘には感謝で返す |
参考・出典
省エネに使える制度は、どの地域に多いか
2026年10月19日時点で該当する183件を地域別に数えました。うち全国対象が15件で、これはどの地域の飲食店でも申請できます。残りは地域限定なので、自分の都道府県にあるかを先に見ましょう。
| 都道府県 | 該当する制度 | その地域の一覧 |
|---|---|---|
| 東京都 | 17件 | 東京都の飲食店向け制度 |
| 福岡県 | 12件 | 福岡県の飲食店向け制度 |
| 新潟県 | 9件 | 新潟県の飲食店向け制度 |
| 長野県 | 8件 | 長野県の飲食店向け制度 |
| 北海道 | 7件 | 北海道の飲食店向け制度 |
| 千葉県 | 7件 | 千葉県の飲食店向け制度 |
| 兵庫県 | 7件 | 兵庫県の飲食店向け制度 |
| 埼玉県 | 7件 | 埼玉県の飲食店向け制度 |
| 福島県 | 6件 | 福島県の飲食店向け制度 |
| 鳥取県 | 5件 | 鳥取県の飲食店向け制度 |
上限額が公表されている131件で見ると、中央値は70万円、最大は10億円です。下から4分の1は20万円以下なので、「小さく試す」規模の制度も含まれています。
直近の締切は【第3回】令和8年度 海外展示会出展支援補助金の2026年10月21日(あと2日)です。締切の並びは締切間近の制度でまとめて確認しましょう。
よくある質問
Q. 値上げの何日前に告知すべきですか?
A. 2〜4週間前が目安です。短すぎると「急に上がった」という不意打ち感が残り、長すぎると駆け込みと値上げ前後の混乱が延びます。店頭掲示とSNSを同時に始め、レジでの一言を添える二段構えが定番です。
Q. 値上げの理由はどこまで書くべきですか?
A. 「原材料費・光熱費の上昇」程度の事実を一行書けば十分です。細かい言い訳を並べるほど印象は悪くなります。それより「品質は落とさない」という約束と感謝に文字数を使いましょう。
Q. 値段を据え置いて量を減らすのはありですか?
A. おすすめしません。ステルス値上げは、気づかれたときに失う信頼が価格改定より大きく、SNS時代は必ず気づかれます。堂々と価格で調整し、その分の品質維持を宣言する方が長期的には安全です。
Q. 常連さんにだけ旧価格で出すのはありですか?
A. やめておきましょう。善意のつもりでも「人によって値段が違う店」という情報は必ず広まり、他の客の不信につながります。常連への配慮は価格でなく、先行告知・一品サービス・声かけで示すのが筋の良いやり方です。
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公開 2026年7月21日 / 最終更新 2026年10月4日 / この記事は、公的機関が公開する一次資料をもとにホジョナビ編集部が作成したもので、執筆補助にAIを使用。金額・要件・締切は各制度の公募要領が常に優先。制作方針と情報源
更新履歴(1件)
- 値上げ後の価格は総額表示が必要な点を追記、目標の原価率を自店の水準で考える表現に修正、日本政策金融公庫の調査(価格転嫁が困難61.1%)を追記
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